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映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』見た

映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』見た。
2014年アカデミー賞、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞。

ヒーローものっぽいタイトルだけど演劇もの。落ちぶれた?元ヒーロー役者が再起をかけて舞台を作るがトラブルだらけのコミカルでシニカルな話。主人公が超能力使えたり幻聴?が聞こえたり謎設定。

プレビュー講演で本当の酒を飲み取り上げられると怒り狂う俳優や、俳優同士の緩い男女関係、何かにつけてお金がかかり苦労するプロデューサー、代役を呼ぼうとするが人気者は皆スーパーヒーロー映画に取られる状況。舞台の内容よりも低俗な噂を聴きたがるインタビュアー。有名な批評家の書いた批評一つで打ち切りかロングランか左右される現状。ついていけないWebの人気指標は再生回数で、しかもすぐに忘れられてしまう現実。

印象深いのは演劇批評家が静かに映画界を罵るシーン。
自分は役者だ!と主張する主人公に

「いいえあなたは有名人

あなたや映画人が大っ嫌い
特権意識が強く利己的で甘ったれ

ロクに芝居の勉強もせず未熟なままで
真の芸術に挑戦する。

アニメやポルノを作っては賞を譲り合い
週末の興収で作品評価?

ここは演劇界よ
脚本演出主演を努め自己満足に浸ろうなんて私が許さないわ。」

自分の評価を気にし過ぎていた主人公への一撃で、何かが解放され有り得ない世界観になるが、なんとなくハッピーエンド?なのか?
ちょっと最後は飲み込めず消化不良。
舞台の成功とともに主人公の心は解放されたのだろうか。

最近のハリウッドと言えばアメコミヒーローものな印象を持っていたが、演劇界的には苦々しく思っているのかな?

撮影はカメラが登場人物の後に付いていき、次々に人と場所を変えていく長回し。狭い劇場の裏側をクネクネ移動する感じはカメラを止めるなに似た印象。
唐突に始まるCG映像は驚き。